帰路でホテル前を通った時は、やばっ!って勝手に焦った。ただの自意識過剰で、通過しただけ。だって来る時も通ったし。
ハッと気付いたら自宅近くに到着してた。
ブランケットかかってるし、どうやら途中から爆睡してたらしい。
普通に送り届けてくれたリーフさんだけど、今まで関わってきた男性では考えられない。隙あらば男女の関係に進展させようとする…っていうのが普通だった。
1人で焦って「あ、すみません!」とか言ってバタバタしてたら「ん?」という顔をして、少し考えてから「もしかして何かされると思ってました?」と笑い出した。
バレた。恥ずかしい。完全に自意識過剰だ。
リーフさんが続ける。
「やりたくないのか?って聞かれたら、そりゃ正直やりたいとは思いますけどね!男はそんなもんだけど、あとは理性の問題なんでね。手を出す気はないから安心してください。」と。
やりたいとは思うんだ。そこは他と同じなんだ。男性だもんね。
「あとは理性の問題」という言葉がやたらに響いた。だって、やりたい気持ちまでは同じなのに、セーブする力だけでこの差。
母や友達もよく言ってたけど「男性は基本的に常に性を意識してる」と聞く。やりたい、やりたくない、それをはっきり認識してるのは、性意識をベースに持ってなきゃ出てこない発想だから当たり前。
性的なことが無くても好きになれる女性とは根本的に違うから仕方ないし、否定する気もないけど、だからこそ女性側がある程度は気をつけておかなきゃいけない。
そもそも動物的には正常。人間だからルール的に、モラル的にダメ…ってだけ。
リーフさんの対応は、素直に欲に従う旦那の生き方とは全然違ったから、ちょっと理解が追いつかなかった。
少なくとも、過去に関わってきた男性達も似たようなもの。抑えられない男性しか知らなかったから、こんな人もいるんだと本気で感心した。
同時に、ただ単に私はこういう紳士な男性を知らなかっただけなんだと思い知らされた。もちろん少数派で貴重なタイプだろうけど。
逆の考え方で、浮気する男性はそんなに多くないでしょ…と信じている女性も時々いる。その場合、他を知らないというより、男性と女性は本質的に違うと気付いてない人ばかりでしたが。
なんであれ、みんな自分の経験や周囲の経験を元に考え方や見かたが決まってくる。そうやって自分らしさや性格ができていくけど、同時に視野は狭くなっていってるんだな…。
当たり前だし、そうやって賢くなるものだけど、経験の種類によっても左右されかねない。
どっちが良いなんて言い切れないけど、また1つ自分の未熟さを教えてもらえた日でした。